内容説明
川中島の戦い、本能寺の変、中国大返し、朝鮮出兵、関ヶ原の戦い、大坂の陣…真実として日本人に刷り込まれた戦国の歴史を、一次史料から描き直す!
目次
本当の鉄砲伝来はいつだったのか
川中島の戦いは何回行われたのか
信長の「天下」は日本全国を指すのか
明智光秀の出自は土岐氏なのか
本能寺の変の黒幕説(朝廷・足利義昭)は成り立つのか
「神君伊賀越え」の真相
中国大返し再考
城郭研究を揺るがした「杉山城問題」とは!?
老いた秀吉の誇大妄想が、朝鮮出兵を引き起こしたのか
石田三成襲撃事件の真相とは
毛利輝元、吉川広家、安国寺恵瓊の関係と関ヶ原の戦い
徳川家康の「問鉄炮」真実はなのか
家康は豊臣氏を、どのように追い詰めたのか
大坂冬の陣後、大坂城の堀は無理やり埋められたのか
忍者とは実在するのか
著者等紹介
渡邊大門[ワタナベダイモン]
1967年、神奈川県横浜市生まれ。1990年、関西学院大学文学部史学科日本史学専攻卒業。2008年、佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、(株)歴史と文化の研究所代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スー
18
知っていた戦国時代の話は本当なのか?実際はどうだったのか?当時の手紙等を元にひもといていく。わかっていたけど、やっぱりちょっとがっかりでした。これが答えだという訳にはいかないですね、川中島の戦いの啄木鳥戦法や一騎打ちは否定されてますが、実際はどうだったか?となるとやはり答えはない。でも鉄砲の伝来、関ヶ原、本能寺、朝鮮出兵は面白く読めました。鉄砲は種子島だけではなく色々なルートから伝来し、種子島は有名なブランドの一つだった。小早川秀秋の裏切りは序盤で問鉄砲もないし、大谷隊は早い段階で壊滅していた。2018/07/29
maito/まいと
17
僕らの知る歴史は、理想や願望ではなく、事実の積み重ねで出てきている。例え色あせ、つまらなくなったとしても、事実は事実。日本史の研究成果が我々まで届くようになった今こそ、事実に向き合うべし。渡邊さんがイメージや俗説に囚われること無く、事実(信頼できる史料)を基に歴史の著名出来事をガチンコ実証。驚くべきことは、特定の出来事が我々の知識(イメージ)と異なっていた場合、その前後の歴史や出来事の意味合いまで変わっていくこと。歴史のつながりを実感する1冊だ。2018/05/20
niwanoagata
16
近年覆った戦国時代の諸説を紹介したもの。戦国時代は俗説がまかり通っているのでこういった本は貴重。陰謀論者に騙されないように。 ただ僕が言いたいのはこの次のステージで、この本は優れた内容ではあるが、じゃあこれを読んでおけばすべて大丈夫かと言うとそれは振り出しに戻ってしまう。この本を読んでなお、この本の説は本当に正しいのか、そこを検証する必要があるだろう。要するにこの本も疑えと言うだけ。まぁしっかりしたのが揃ってるのでこの本は大丈夫なんですが…特に良かったのは負け惜しみの受身2020/05/30
六点
4
意欲的に一次資料を丹念に読みなおす事によって、戦国時代像の再構成に挑んでいる編者を中心としたグループの好著。読んだ後、「ああ、なんか塩っぱい気持ちになった」と、思うか、「最近ではこういう見方になってるんだ」と思うかで本人の読書経験が問われる。…知識のブラッシュアップって大切ですよ?2017/02/22
hinata
1
史実は大切だと思うが、それはそれとして軍記物や講談をもととした読み物のほうが受けるのだから俗説がまかり通ている。それを一次資料や残っている書簡などを掘り起こして史実を探ろうとしているが決定できないことも多々ある。2018/10/06